「あなたの全てがたまらなく好きだから」

フランさん推しはBonjour( * ´ ³`)

ロシちゃん推しはЗдравствуйте✩°。⋆⸜(*˙꒳˙* )⸝

てんぐ推しはこんにちはこんばんはおはようございますお疲れ様です!


今日は百合の日みたいっすね。ワタクシテングコト百合豚。
黙っていられませんでした……(原稿は?)思えば薔薇よりも百合の目覚めが早かった自分。きっと生まれた頃から百合を推していた私。
何故だが今まで、百合物を上げたことがありませんでした。
実はまあ色々描いてきたり?書いてきたり、そりゃもう膨大な数がてんぐハウスには眠っているのですが、、、未だその数々が日の目を浴びることはありません。

でも百合の日だし、、書きたいなんか上げたい、っとことで、シュッ!とかいてしまいました。
ちょっと特集設定なのでご説明いたしますと、

にょた百合のふらんすちゃんとろしちゃんが付き合っております。
2人の名前は、フランソワーズ(仏)と、アーニャ(露)ということになってます
2人はスケーターです。
実はだいぶ昔にちょこっとだけネタ紹介をした時にも登場したスケート物。だけど、今回一切スケートシーンはなく、ほんの小さな日常を書いてみました。

本当に短いですが、年下彼女に振り回されるフランソワーズ(25)をお楽しみください。





キマシタワー






 
 テーブルにしばらく座っていると、まるでテーブルと椅子にくっついたまま動けなくなったみたいだと思った。
 机の上に広げられたくだらない雑誌を適当にパラパラとめくってみた。ページをめくる指が心做しか重たい。
表紙を飾る女性は自信満々の顔した褐色肌の子。小さなころからモデル活動をしていて、何度かパーティーで見かけたことがあった。

 どこか高飛車な雰囲気があるにも関わらず、なんどコテで直しても収まらないというくせ毛のおかげでチャーミングだった。

 最近流行の90年代アメリカンスタイルを身に纏って、結構決まっていた。チェリーレッドの色を基調としたワンピースには複雑な柄が入っていて、一見変な形をしているのになぜだかしっくりきた。

 別にこんな雑誌自分がでていても、買わないんだけど。10歳も年下のチームメイトたちから取り上げたので、読まずに捨てるのも勿体なくてこうしてみてしまっている。

 年の離れた子供たちから取り上げたのは我ながらおとなげないと思う。今度ちょっとリッチなランチにでも連れて行ってあげよう。

 彼女たちは私が気にかかったページを見ては、本当なのかどうかと噂していた。

 「えーでもフランとキスしてそうなの何度も見たことあるし!」「でもこのゴシップには、イケメンとデートしてるみたいに見えるよ」「てか、このイケメン身長でっか!服のセンスも悪くないね」「フランソワとはタイプが違うけど、イケてるね。アーニャはこういう派手なストリート系のがタイプだったりして?」「アタシショック~アーニャはフランソワと付き合ってると思ってたのに」

 昨日聞いたことなのに、一言も忘れず耳に媚ついている。彼女が浮気するなんて思ってもないけど、でも気になって勢い余って彼女たちから取り上げてしまった。もちろん、アーニャと付き合っているのかと聞かれたけど、

それとなく逃げるようにした。

 問題のページには『ロシアの新星 ファンと密会か』なんて下品な言葉が並んでいる。はっきり言って私はこういうゴシップ誌の言葉選びが大嫌い。下品だし、誇張したものや、嘘だってたくさん並べられている。自身だって過去に何度も付け回されてきたし、家だって何度引っ越ししたか分からない。

 そんな大嫌いな記事はサッと読むだけで、写真を注目することにした。それが合成かどうかを見極めるために。結果的に本人に一番聞いた方が早いけれど、仮に男だったとして、私に勝る人間か確かめておきたかった。

 まあ世界中どこを探しても、私のスケートや美しさに少しは近い人間は居ても、勝っている人間はいないのだけど。

 数分間、不快感極まりない写真を睨んでいると、上から何かを食べる咀嚼音が聞こえてきた。私が写真に集中するあまり、アーニャが来たことに気がつけずにいた。

 いつの間にか私を片手でハグしていた彼女は、もう片方でスナック菓子を楽しんでいた。

 「なに見てるの~?」

 いつ見ても眩しすぎる目が、雑誌へと目線を落とす。

彼女は英語がまだ苦手だし、分からないかもと思ってすかさず雑誌を閉じた。

 「あっコラ!またそんなの食べて」

じっと彼女を見つめると、口の周りにお菓子がちょんっとついていた。

 私はそのまま流れるように、彼女の首に手を回して、唇を重ね合わせる。

軽いキスだけど、それだけでも満たされた。

 アーニャが私に隠れてスナック菓子を食べた時、必ず口回りも美味しくいただくことにしている。 優しく舌でなぞると、口の中に甘い味が広がった。

 「んっ、、ふふ。だってこうしてるとキスしてくれるでしょ?」

 お互いにゆっくり唇を離すと、満足げな表情をしていた。小悪魔みたいな彼女は、頭に見えない角を隠しているみたいだった。

まぁそういうところを好きなってしまったんだけど。これだから年下の彼女は厄介だ。

 「…あんた、それが狙いだったの?」

 「どうかなぁ、、えへへ」

 「はぁああ、聞いてあきれるわ。あんまり大人をからかうんじゃないわよ」

ため息をもらすと、一気に体の力が抜けた。

 「ねぇ、それ。気になる?」

調子に乗ったアーニャはさっきよりもニヤニヤしていた。

 「えっと、、え?」

 「どうしても気になるのなら、どういう人か、教えてあげてもいいよ?」

 「…ッッ!そんなの聞くわけなじゃない」

柄にもなく顔を赤く染めあげられてしまった私は、めいいっぱい手で顔を隠した。

 この子の前ではどうしても勝てない。女泣かせで有名なこの私が、天使の顔をした年下小悪魔には勝てない。

 何故ってそれは―

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